正直に言うと、高専卒業後の編入学先は第一志望大では無かったです。それでも高専の卒業研究で興味を持った太陽電池に関係する研究室に入り、研究を始めたのですが、第一志望への思いは消えませんでした。そこで大学院への進学の際に、第一志望だった大学の大学院へチャレンジすることにしたんです。
ところが大学院のことを色々調べているうちに、太陽電池研究の世界ではたいへん有名な先生が東京工業大学におられることを知り、強く興味を持つようになりました。すでに東工大へ編入していた同期の薦めもあり、第一志望校と東工大を併せて受験してみたら、両方合格してしまいました(笑)結局、第一志望だった大学にいくのはやめて,東工大の院に進みました。現在はその先生のもとで太陽電池の研究をしていますが、来てよかったと強く実感しています。
大学の編入先と、大学院の進学先とでは、選び方がだいぶ変わりましたね。結局大学院入試では合格したのに、第一志望だった大学へ進みませんでしたし(笑)
大学選択の場合から話をすると、たとえば一般の高校生が大学を選ぶ場合、偏差値や大学の雰囲気などが優先順位の上位にくる場合が多いのではないでしょうか。これが高専からの編入学になると、ある程度「どんな勉強・研究をしたいのか」が選択基準に入ってきます。ただ、高専にいる間に「大学での研究室での生活」を考えるのは難しいと思います。ですので、高専の授業を通して分かってきたであろう自分の興味のある分野に関する研究室がある大学を選ぶといいと思います。
これが大学院選択の場合では、「興味のある分野の中でも積極的に活動をし、資金や設備等の研究環境が整っていること」などが選ぶポイントとして加わってくると思います。「研究室での生活」などもWebサイトを通してイメージできる場合もあります。お願いして研究室を見学させてもらう手もあるかもしれません。
興味のある分野でより高度な研究をしたい、と思ってほかの大学院へ移るのは、それほど大変ではないです。大学4年生から3年間同じ研究室で研究する場合と比べると、研究室を変えることで1年のハンデを背負うことになりますが、興味があれば何でもできるし、やっていて楽しいと思えるはずです。逆に興味の持てない研究を続ける方が大変ではないでしょうか。
大事なことは、努力することです。一言で努力するといっても、興味の有り無しでエンジンの掛かり方が変わります。「自分はここでぜひ頑張ってみたい」と言えるところで、学べる楽しみを味わいながら努力することが成功につながるのではないでしょうか。
学生の楽しみを(ほぼ)やり尽くした5年間
平成20年度 電気電子工学科卒業。
同年岐阜大学工学部電気電子工学科へ編入後、東京工業大学大学院理工学研究科へ進学。電子物理工学を専攻し、太陽電池の研究で有名な小長井誠教授の元で研究活動中。