先輩インタビュー

研究職という選択 酒井 美月さん 環境都市工学科

理工系分野を選択した時期・理由は‥‥

 私の現在の職場は母校でもあります。高校受験に際し一般科ではなく何か専門知識を学べる学校に通いたいと考えていた私に、中学時代の恩師が勧めてくれたのが工業高等専門学校(高専)でした。中学時代の成績に文系科目、理系科目の差はさほどなかったのですが、興味として、国語や社会などの科目に比べ、数学や理科などが好きだったことから、高専の土木工学科への進学を決めました。科目選択では他にも機械工学科、電気工学科、情報工学科などがありましたが、理系の中で自然を相手に仕事をする学問分野と言うことで土木に興味を持ち、選択しました。

私からのメッセージ‥‥

 まず就職しての感想として、私は卒業からしばらくして母校に戻り、教壇に立つことになったのですが、女子学生の増加に驚きました。私の在学していた頃より多くの女子学生が工学を学んでいます。またその大部分は、進学に際し理系、工学に進むべきか悩んだ上での結論があったからか、問題意識も強く大変優秀です。
 高等専門学校での仕事には教育と研究があります。双方の両立は大変ですが、学生とともに研究を行うと自分では当然と思ってしまい気づかなかった視点からの意見など、新たな発見があります。
 私の研究ではフィールドワーaクと呼ばれる現場での調査を行うのですが、河川の観察や採水などで地域の四季の変化を感じることも楽しみです。土木工学のフィールドは我々が生活している地域、国土、地球そのもので、それぞれの現場が生活に強く密着しているものですから、人々の生活や地域環境の変化に敏感でなければいけないと思い、そういった感覚を研究の中で忘れないようにしています。

女子高校生・女子学生へのメッセージ

高専入学から土木というと、15歳で将来の仕事の分野を選んだものと認識されて、「よく決められたね」といわれることがあります。でもこれまでのどのタイミングでも、そんなにはっきりとした将来が見えていたわけではありません。興味を持ったこと、やりたいことは自分にできる可能性があると考えてまずやってみることが必要だと思います。環境や能力の不安はやってみたら実際にはさほど気にならないことが多くあります。チャレンジしてみて広がった視野から、また将来のことを考えることも、いつだってできます。理系の学問分野はいろんな可能性を秘めていて、これから将来を考える皆さんの視野を大きく広げてくれるものと思います。

【 プロフィール 】
長野工業高等専門学校 環境都市工学科:水理学・環境水工学分野 助教 専門は水理学・環境水工学です。微量残留物質の環境中での広域な、とくに水環境における挙動に関する研究をしています。 【所属学会】  土木学会・水環境学会・環境化学会 【論文】  1. Relationship between dieldrin uptake in cucumber and solvent extractable residue in soil., Journal of Agricultural and Food Chemistry, Volume 57, Issue 23, 11261-11266 (2009)  2. Mass balance and long-term fate of PCDD/Fs in a lagoon sediment and paddy soil, Niigata, Japan., Environmental Pollution 156 (2008) pp. 760-768 (2008) ほか 環境都市工学科の学科ページへのリンク>