高専ライフ

高専をこよなく愛する在校生からのメッセージ

面白そう!を行動して実現させよう!

浅田 吉博さん
専攻科電気情報システム専攻 1年

面白そうと思ったことには躊躇わず飛び込んでいった

 僕は知りたいと思ったこと、興味をもったこと、面白そうと思ったことには飛び込む姿勢で挑戦してきました。そうすることで、「今の勉強がどう将来に繋がっていくのか」の視点で興味関心を持つことに繋がり、日々の学業でもゴールを見据えてモチベーション高く取り組むことができました。
 高専入学後すぐに、課題解決のための新しいアイディアを発想する方法や、事業を起こして社会に貢献する方法に興味を持ち、県内企業のトップに学生だけでインタビューに伺う活動を立ち上げました。この活動の中で、課題の本質を見つけ、技術革新を生み出す方法(デザインシンキング)を学び、この方法を実践しようとビジネスプランコンテストやモノづくりのコンテストにも多く取り組みました。
 3年次には長野高専が主催するシンガポール留学に参加し、デザインシンキングを使った現地学生とのワークショップに取り組み、飛行機内の運送システムのアイデアで優勝することができました。


2年次にはトビタテ!留学JAPANへ採択され、フィンランド留学を叶えた

トラブルも自分を成長させるチャンスになる

 在校中のこれまで、たくさんのトラブルがありましたが、行動力やリーダーシップを育てる大きな機会になったと思っています。
 3年次の秋には、長野市に絶大な被害をもたらした「令和元年東日本台風」がありました。被災直後のニュースで、当時住んでいた学生寮のすぐ近くの避難所でカイロが足りなくて困っているという事を知り、いち早くカイロを買って駆け付けました。被災直後はボランティアを募集する体制も整っていなく、避難所ではたくさんの問題を抱えており、身一つの私でもお役に立てたようでした。また、避難所を励ますために続々と集まる方からも多くの感銘を受けました。その後も、炊き出しのお手伝いや住宅から泥水を運び出すボランティアを行い、多くの経験をすることができました。
 続けざまに、今度は新型コロナウイルス感染症と向き合う日々が始まりました。4年次には全校学生の半数弱が住む学生寮の寮長として、コロナ禍における安全な寮運営や寮生活の規律向上に努めました。5年次には感染対策の学生組織を設立し、厳しい規制ではなく楽しくコロナ対策に参加できる企画を多く行いました。特に、消毒をすると抽選ができる企画では、低かった朝の消毒率を31%から93%に引き上げることができました。


寮長の誕生日に寮食堂からケーキが振る舞われた

長野高専専攻科生と豊橋技科大生のダブル研究生活

 本科の卒業研究では半導体集積回路によるにおいセンサの研究に取り組みました。においは研究が未発達な分野であり、においのデジタル化が実現されると多くの社会課題の解決につながります。私はその中でも地雷除去の問題に着目しました。近年、ネズミの嗅覚に頼る方法が開発され各段に早い地雷探知が実現されましたが、訓練費用や生物特有の不確実性、それに動物愛護の課題があります。動物の嗅覚よりも確実なにおいセンサを実現し、これらの問題を解決したい、この研究をもっと追求したいと考え、専攻科へ進学しました。
 また専攻科では、豊橋技術科学大学にも在籍し、両方の学校を同時に修了/卒業できる「先端融合テクノロジー連携教育プログラム」にエントリーしました。オンラインミーティングも活用しながら両方の学校の先生方から指導を受けることができ、また来年度からは拠点を豊橋技科大へ移し、国内の大学でも類を見ない半導体集積回路の設計から製作、評価を一貫して行えるLSI工場も利用して研究を進める予定です。
 現在は国際会議に向けてさらに実験を進め、また特許の申請に向けて研究に取り組んでいます。これからもさらに高度な研究に取り組み、豊橋技科大では博士号を取得することを目指しています。


本科卒業時には特別敢闘賞を受賞した

面白そう!の実現には行動に移すのみ

 その時、自分が面白そう!と思ったことに挑戦していけば、必ず将来の何かに繋がります。自分が想像することは必ず実現できるので、あとは行動に移すのみです。その行動を支援してくれる環境が、高専にはあります。

(令和4年12月9日掲載)

思いついたら、とにかく行動しよう!たくさんの経験は成長の鍵。

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