工学科

- 学科・専攻科 -

概要

長野高専はこれまで、機械工学科、電気電子工学科、電子制御工学科、電子情報工学科、環境都市工学科の5つの学科で、実践的技術者の育成を目指した教育を行ってきました。しかしながら、近年は業務の多様化が進み、AIやSociety5.0への対応が求められているなど、データサイエンスの知識を有する創造的技術者の養成が求められています。また、製造部門の海外シフトに遭遇している今日の産業界ではグローバル化が進んでおり、国内外で活躍できる技術者の育成が求められています。近年は複数の工学分野を融合させて実現する場面もあり、分野横断的に学ぶ機会もあり、さらには、地域の問題を解決するために、地域の事をよく知り、地域が抱えている諸問題を理解して、学んだことを活かすことが必要になってきています。

そこで、既存の5学科を「工学科」(入学定員200名、情報エレクトロニクス系、機械ロボティクス系、都市デザイン系の3系)へ再編して、各自の進む系の専門科目だけでなく、創造性を育む実験などの分野横断科目、多くの工学分野を学ぶ副専攻科目、長野県の歴史や文化を学ぶ「長野学」を含むリベラルアーツ教育を履修できる体制にしました。

 工学科の特長 

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広い視野を持った専門家の育成

各学年における分野横断科目によって、系にとらわれない広い視野をもつエンジニアを育成します。
例えば、1年次の「ものづくり基礎工学」では3つの系の授業をすべての学生が受講し、各分野への理解を深めます。

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入学後のコース選択によるキャリア育成の最適化

1年次に3つの系について理解を深めることで、自分の将来像を見据えた選択を行うことができます。系への配属は入学後の成績、複数回にわたる希望調査と面談に基づいて行います。

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情報を活用するためのデータサイエンス関連教育

1年次における情報リテラシー教育から始まり、各学年における共通科目として、膨大な情報から価値を生み出し、活用する能力を強化します。これは高度情報化において、分野に関わらず必要となる能力です。

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リベラルアーツ教育院の設置

社会状況の変化に柔軟に対応し、学んだ専門知識や技術を社会に還元することのできる「生きる力」を身につける実践的教養教育を行います。特に、1年次において教育院所属の教員による少人数短期ゼミ形式の選択授業を行い、学生の興味関心の面から学習への意欲を刺激し、自発的な学習を促します。
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リベラルアーツ教育とは

リベラルアーツ教育は、社会で生き抜くための土台となる「人間力」― 豊かな教養と知識、創造性、未来を見通す視野、発信力 ―を身につけるための実践的な教養教育を全学年にわたって行います。一般教養科目に加え、1年次から始まる少人数制のZUKUDASEゼミ、ネイティブ教員による少人数の英会話演習、海外研修旅行、プレゼンテーション科目、国際寮を使った集中プログラムなどのグローバル教育があります。また長野の歴史や文化に関する講義や冬季スポーツに親しむ「長野学」も実施します。

 

ZUKUDASEゼミ

学生の興味関心を元に課題を設定し、調査・研究・発表・討論を通じて自発的な学習のためのスキルを身に付ける少人数短期型のゼミです。

(ゼミのテーマ例)コマ回しで勝つ技術/英語の歌で学ぶ発音/算学への挑戦/挫折をしないロックンロールギター/打つ前の素振りの効果検証/ドローンを飛ばしてみよう/信州にちなんだ色の染物に挑戦 など

 

グローバル教育

グローバルマインドや高度なコミュニケーション能力を身につけるための英語教育を展開します。
(学習内容の例)

  • 少人数クラスで、ネイティブ教員による英会話実習と英語の問題を使った数学演習を1週ごと交互に実施
  • 海外研修旅行での海外の学生との交流を通じた実践的語学教育
  • 国際寮の利活用による英語教育(海外からの短期留学生との交流会、English Boot Campや日本語禁止のe-sportsなどのイベントを開催)

 

長野学

グローバルマインドや高度なコミュニケーション能力を身につけるための英語教育を展開します。
(科目の例)

  • 長野・信濃と文学 長野県ゆかりの作家・作品をとおして、地域の文学・文化を学習
  • 象山学 長野の先哲や長野の歴史・文化をとおして、地域への理解力を向上
  • アウトドア演習・ウインタースポーツ アウトドアスポーツ等をとおして長野の自然に触れる

リベラルアーツ教育 × 専門教育

幅広い教養を備え、社会、環境等の諸問題への関心をもつとともに、専門的な工学の知識により自ら問題を解決できる実践的技術者を育成します。

 

データサイエンス

将来の問題を工学をもって解決をするにあたっての基礎力となる内容を全系共通で学びます。

(科目の例)

  • 情報リテラシー BYODパソコンの利用法や、表計算・プレゼンソフトの利用など
  • 情報処理入門 C言語による基礎的プログラミング
  • データサイエンス基礎 データベース、SQL、Python、Excel統計処理など

エンジニアリングデザイン

2年次の「基礎」ではデザイン思考を用いたアイディアの発想、プロトタイプの製作、フィードバックの方法について体験します。4年次の「実践」では企業とも連携して実課題に対する社会実装に挑戦します。
(学習の内容)

  • 身近な製品を例とした製品開発シミュレーションをおこなう
  • いくつかのアイディアを組み合わせて、新しいアイディアを創り出す手法と、まとめる手法をグループ学習で学ぶ
  • 3つの系の学生が集まり、今まで学んだ知識を利用した創造作品のアイディアを発案する
  • アイディアの実現に必要な技術や情報の調査収集、設計、製作、評価をおこなう
  • 企業からも課題の発案、創案・製作に関して協力いただき、製作を通じて社会実装教育を学ぶ

 

ものづくり基礎

機械、電気・電子、情報、土木の4分野について、講義と実験を通じて基礎的知識を習得します。1年かけてしっかり学び、考え、相談をして、2年次進級時に主専攻とする系を選択します。
(学習内容の例) スマホアプリの構築/レゴロボット製作体験/三次元CAD入門/測量体験/建物の構造 など

分野横断型カリキュラム

専門性の高いスペシャリスト、分野を超えたジェネラリスト。社会状況の変化に対応するこれからのエンジニアに必要なスキルを横断型カリキュラムで身につけます。

 

 

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卒業後の進路

新しい工学科の課程を卒業した学生はまだいませんが、これまで長野高専を卒業していった学生は県内外の企業でおおいに活躍しており、今も卒業生の人数に対して20倍近くの非常に多くの求人をいただいています。
さらに学びや研究の経験を積み上げたい場合には、理工系の大学の3年次へと編入学することができます。また長野高専には専攻科も用意されており、工学系大学院の同等の授業・研究を経験することができ、大学卒業の学位となる「学士」を取得することもできます。専攻科からは就職できることはもちろんのこと、大学院へ進学することができます。

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