グローバルで多様な時代
世界へ羽ばたく
エンジニアになる

中学生の
みなさん
2022年度から
1学科3系に再編
工学科がスタート!
何が変わったの?
長野高専はこれまで、機械工学科、電気電子工学科、電子制御工学科、電子情報工学科、環境都市工学科の5つの学科で、実践的技術者の育成を目指した教育を行ってきました。しかしながら、近年は業務の多様化が進み、AIやSociety5.0への対応が求められているなど、データサイエンスの知識を有する創造的技術者の養成が求められています。また、製造部門の海外シフトに遭遇している今日の産業界ではグローバル化が進んでおり、国内外で活躍できる技術者の育成が求められています。近年は複数の工学分野を融合させて実現する場面もあり、分野横断的に学ぶ機会もあり、さらには、地域の問題を解決するために、地域の事をよく知り、地域が抱えている諸問題を理解して、学んだことを活かすことが必要になってきています。

そこで、既存の5学科を「工学科」(入学定員200名、情報エレクトロニクス系、機械ロボティクス系、都市デザイン系の3系)へ再編して、専門科目だけでなく、創造性を育む実験などの分野横断科目、多くの工学分野を学ぶ副専攻科目、長野県の地域性を学ぶ「長野学」を中心としたリベラルアーツ教育を履修できる体制にしました。
情報エレクトロニクス系
情報エレクトロニクス系ではソフトウェアや情報セキュリティーなどの情報分野と、生活を支える電気エネルギーや情報ネットワーク、これらを支えるエレクトロニクス技術などを幅広く学びます。

科目例
電力工学/電子回路/ディジタル通信/集積回路設計/ソフトウェア工学/プログラミング基礎など
機械ロボティクス系
機械ロボティクス系では、進化し続ける自動車・ロボットなどの未来を創造するための機械設計から、より良く動かすための電子制御まで、機械をベースにした幅広い要素技術を学びます。

科目例
材料工学/機構学/機械力学/ロボット工学/制御工学/組込みソフトウェアなど
都市デザイン系
都市デザイン系では、道路、橋、上下水道など、私たちの生活に必要な社会資本を、設計・整備・維持する技術を学びます。生き物にも地球にも優しい、持続可能な都市環境を創るエンジニアを目指しましょう。

科目例
構造力学/水理学/土質工学/都市計画/設計製図/環境生態学など
新しい長野高専の特長

1

広い視野を持った
専門家の育成

各学年における分野横断科目によって、系にとらわれない広い視野をもつエンジニアを育成します。
例えば、1年次の「ものづくり基礎工学」では3つの系の授業をすべての学生が受講し、各分野への理解を深めます。

2

入学後のコース選択による
キャリア育成の最適化

1年次に3つの系について理解を深めることで、自分の将来像を見据えた選択を行うことができます。系への配属は入学後の成績、複数回にわたる希望調査と面談に基づいて行います。

3

情報を活用するための
データサイエンス関連教育

1年次における情報リテラシー教育から始まり、各学年における共通科目として、膨大な情報から価値を生み出し、活用する能力を強化します。これは高度情報化において、分野に関わらず必要となる能力です。

4

リベラルアーツ教育院の設置

社会状況の変化に柔軟に対応し、学んだ専門知識や技術を社会に還元することのできる「生きる力」を身につける実践的教養教育を行います。特に、1年次において教育院所属の教員による少人数短期ゼミ形式の選択授業を行い、学生の興味関心の面から学習への意欲を刺激し、自発的な学習を促します。

リベラルアーツ教育とは
リベラルアーツ教育は、社会で生き抜くための土台となる「人間力」― 豊かな教養と知識、創造性、未来を見通す視野、発信力 ―を身につけるための実践的な教養教育を全学年にわたって行います。一般教養科目に加え、1年次から始まる少人数制のZUKUDASEゼミ、ネイティブ教員による少人数の英会話演習、海外研修旅行、プレゼンテーション科目、国際寮を使った集中プログラムなどのグローバル教育があります。また長野の歴史や文化に関する講義や冬季スポーツに親しむ「長野学」も実施します。
エンジニアを目指す
こんな中学生におすすめです

広い分野に興味があるので、専門以外のことも学びたい

将来は世界のテック企業で最先端の仕事をしたい

これがあれば便利!というヒラメキをカタチにできるようになりたい

大学や企業に行っても活躍できる自立した研究力を身につけたい

特色ある学び
リベラルアーツ教育 専門教育

幅広い教養を備え、社会、環境等の諸問題への関心をもつとともに、
専門的な工学の知識により自ら問題を解決できる実践的技術者を育成します。

リベラルアーツ教育
ZUKUDASEゼミ
1年次
学生の興味関心を元に課題を設定し、調査・研究・発表・討論を通じて自発的な学習のためのスキルを身に付ける少人数短期型のゼミです。
ゼミのテーマ例
・コマ回しで勝つ技術
・英語の歌で学ぶ発音
・算学への挑戦
・挫折のしないロックンロールギター
・打つ前の素振りの効果検証
・ドローンを飛ばしてみよう
・信州にちなんだ色の染物に挑戦
 など
多様なテーマ(令和4年度は22テーマ)のなかから学生が興味のあるゼミを選択し受講することで、自発的に研究・学習活動が行えるようになることを目標にしています。10名以内の少人数ゼミ形式で行っており、受講生は前期期間中に3つのゼミに所属し、それぞれの担当教員のアドバイスを受けながら独自の方法で自分のテーマを探求します。学級担任やクラスの友人といった枠を超え、相談できる先生や別のクラスの友人などとの新しい人間関係を構築していけることも、ZUKUDASEゼミの魅力です。
グローバル教育
1~5年次
グローバルマインドや高度なコミュニケーション能力を身につけるための英語教育を展開します。
学習内容の例
・少人数クラスで、ネイティブ教員による英会話実習と英語の問題を使った数学演習を1週ごと交互に実施
・海外研修旅行での海外の学生との交流を通じた実践的語学教育
・国際寮の利活用による英語教育(海外からの短期留学生との交流会、English Boot Campや日本語禁止のe-sportsなどのイベントを開催)
長野高専では学生のコミュニケーション能力の強化と国際性の醸成のために、さまざまな取り組みを行っています。いくつか例をあげると、少人数クラスでネイティブ教員が担当する英会話授業、英語の問題を用いた数学演習の授業、原則全員参加(2年生)の海外研修プログラム、インターネットを利用したオンライン海外交流プログラムなどがあります。

学生たちはそれぞれのテーマにそった活動を行いながら、将来国際的に活躍できるエンジニアになることを目指しています。
長野学
4・5年次
長野を知り、長野愛を育む科目を実施します。
科目の例
長野・信濃と文学 長野県ゆかりの作家・作品をとおして、地域の文学・文化を学習
象山学 長野の先哲や長野の歴史・文化をとおして、地域への理解力を向上
アウトドア演習・ウインタースポーツ アウトドアスポーツ等をとおして長野の自然に触れる
長野学と称する一連の科目群では、長野県の文化を学びます。文化とは人間の営みであり、その作り上げたものです。長野県は、古い歴史と多様で美しい自然をもっています。これらは深い学びが可能な題材といえます。切り口としては歴史や文学・美術・思想、はたまたリクリエーションなどを用います。例えば、「アウトドア演習・ウインタースポーツ」では長野の自然文化に対応した科目といえましょう。「アジアの中の長野」では、アジア史における長野県人たちのの果たした役割などを考えます。
専門教育
データサイエンス
1~5年次
将来の問題を工学をもって解決をするにあたっての基礎力となる内容を全系共通で学びます。
科目の例
情報リテラシー BYODパソコンの利用法や、表計算・プレゼンソフトの利用など
情報処理入門 C言語による基礎的プログラミング
データサイエンス基礎 データベース、SQL、Python、Excel統計処理など
これらの科目では、全分野に共通するデータサイエンスの概念や方法を学びます。ノートPCを使った演習形式により、必要な知識だけでなく、実践的な技術を身につけることを目的としています。

コンピュータによる処理は多くの方法があり、同じ課題でも解法は様々です。自分以外の考えを聞き、「そんな方法もあるんだ」と気付くことも大切な学びです。学生同士、意見を出し合いながら楽しく取り組んでいます。
エンジニアリングデザイン
2・4年次
2年次の「基礎」ではデザイン思考を用いたアイディアの発想、プロトタイプの製作、フィードバックの方法について体験します。4年次の「実践」では企業とも連携して実課題に対する社会実装に挑戦します。
学習の内容
・身近な製品を例とした製品開発シミュレーションをおこなう(2年次)
・いくつかのアイディアを組み合わせて、新しいアイディアを創り出す手法と、まとめる手法をグループ学習で学ぶ (2年次)
・3つの系の学生が集まり、今まで学んだ知識を利用した創造作品のアイディアを発案する (4年次)
・アイディアの実現に必要な技術や情報の調査収集、設計、製作、評価をおこなう (4年次)
・企業からも課題の発案、創案・製作に関して協力いただき、製作を通じて社会実装教育を学ぶ (4年次)
世の中を取り巻く問題や生活に残る不便に対して、ひらめきやアイディア、「これがあれば面白い!」といったワクワクする気持ちを仲間で持ち寄って一からモノを作り上げます。最初は雲をつかむような話に思うかもしれませんが、製作をとおして、今まで学んできたことの積み重ねで何とかなるんだと思えるようになります。ハードウェア、ソフトウェア、外装・機構の揃ったモノが、思うように動かないといったトラブルも乗り越えて完動したとき、このうえ無い達成感とともにエンジニアとしての大きな自信も身に付くと思います。
ものづくり基礎
1年次
機械、電気・電子、情報、土木の4分野について、講義と実験を通じて基礎的知識を習得します。1年かけてしっかり学び、考え、相談をして、2年次進級時に主専攻とする系を選択します。
学習内容の例
・スマホアプリの構築
・レゴロボット製作体験
・三次元CAD入門
・測量体験
・建物の構造
 など
受講の学生から、「初めて聞く内容に戸惑ったけど楽しかった」「高専らしい内容だと思った」「実習の時の先生の熱量に驚いた」「実習を補助してくれた先輩の知識もすごい」などの感想が寄せられています。自分はどんなことに興味を持っているのか、どんな分野のことを深く学びたいのか、を発見・確認できる授業です。
分野横断型カリキュラム

専門性の高いスペシャリスト、分野を超えたジェネラリスト。
社会状況の変化に対応するこれからのエンジニアに必要なスキルを
横断型カリキュラムで手に入れる

よくある質問
1学科に再編されるにあたり、入学試験はどのように変わりましたか?
これまでは5学科各40人の定員で募集していました。現在は、工学科1学科を200人の定員で募集しています。
そのため、系の選択は入学試験の前には行いません。なお、推薦入試は面接のみとなります。学力入試はこれまでと変更はありません。
ZUKUDASEゼミとは、何ですか?
「ずくがある」とは長野の方言で「物事に対して力を尽くすこと」※を意味します。
みなさんの興味ある分野のなかで、みなさんが課題を設定し、自発的な学習活動を行います。
少人数のグループ学習なので、ゼミのような形式です。天文学・化学・哲学・文化など様々な分野から選ぶことができます。実社会で“ずく”を出してたくましく問題解決する力をつけます。
(※諸説あります)
系の選択は、どのように行うのですか?
1年次で学んだことを踏まえて、2年次に進級するときに選択します。1年次に複数回の志望調査を行います。
くわえて教員との面談を行うことで、1年かけてみなさんの志望を固めていきます。もし、特定の系に志望者が集中した場合には、1年次の成績を考慮して決定します。
副専攻とは、何ですか?
2年次に進級するときに選択する系は主専攻ですが、それにくわえて、別の系の科目を学修することです。
4・5年次における必修選択で、工学の幅広い知識を身につけます。変化の大きい社会の中で、様々な物事に対応できる力を養います。
優れた技術者は
優れた人間でなければならない
本校は「優れた技術者は、優れた人間でなければならない」との教育理念を掲げています。 この「優れた」という表現はまわりの人からの評価です。
仲間から、社会から、そして世界から「あなたは優れているね」と評価され、信頼される技術者になるために。未来に向けられたメッセージです。